今回はBNF氏がインタビューで答えた内容について見ていきましょう。
インタビューでの発言
始めた頃にラッキーなことが続いて。
長期投資時代、CSK と富士ソフト ABC のどちらかを買うか迷って、理由もなく後者を選んだ。
すると直後に CSK が悪材料発表で暴落したんです。
短期投資に切り替えた直後も、日本ドレーク・ビーム・モリンとアデルで迷って、なんとなく後者を選んだら、場後にドレーク・ビーム・モリンが下方修正で大暴落。
ここで資金が半減してたら、やる気をなくしてたと思います。
いま 1 億円損するより、ダメージが大きいんですから。
空売りどころか、信用取引という発想自体なかったんです。
いまもほとんど現物取引ですが、資産を作る段階で信用だけは絶対やっちゃいけない。
信用に手を出すと、資産がゼロ以下になることだってあるんで、危ないなと思って。
それに、当時はリバ(ウンド)狙いだけですごく取れたんで
ある会社が下方修正して、100 万円の株価が 50 万円まで落ちたところで買えば、かなりのリバウンドがあった。
いまはデイトレーダーが増えたので、そこまで下げない。
70 万ぐらいで中途半端な買いが入るから、ほとんどリバウンドもないまま、再びダラダラ下げ始めたりする。
参加者が少ない時代は動きが素直だったんですね。
出来高の少ない銘柄はもう監視してません。
逆張り時代は 2 ~ 3 銘柄しか保有してなかったけど、いまは 20 ~ 50 銘柄に分散しています。
大型株って、普通はそんなに動かないものなんです。
ところが、05 年夏以降、あり得ないほど急騰した。
住友金属工業なんて 1 ヵ月半で 200 円から 400 円へと倍になっちゃった。
流れに乗っかってれば儲かったんですね。
05 年春の 30 億円が冬には 80 億円と、いつの間にか増えていた。
そこへジェイコムがあって、100 億円になった。
100 億なんて意識したこともなかったけど、気がついたら……という感じです。
マケスピは登場したときから使ってるんで、視覚的に慣れてるんですよ。
どれが買いか、なんとなく見えてくる。
主要銘柄のチャートは頭に入ってるので、すべてのチャートを見はしないけど、多い日だと(監視銘柄)リストを何往復もする。
いまより上がると思ったら買い、いまより下がると思ったら売りますね。
どうなればそう思うのかについては、ちょっと……。
その銘柄の動きだけで決めてるわけではないです。
日経平均や日経先物の動き、同じセクターの他銘柄の動き、全体の出来高、アメリカ市場の水準や出来高など、いろんな要素を見て、総合的に判断してるとしか言いようがない。
全体を見るほうが、その銘柄がちゃんと見えてくるんですね。
B.N.F氏のハンドルネームの由来はビクター・ニーダーホッファー氏を尊敬していることから来た
みんなが売りに走っているときに、あの人(ビクター・ニーダーホッファー)だけが上がるほうに賭けた。
しかも、全財産を投入したんです。
いくら自信があっても、普通は資産の半分とかじゃないですか。
彼はすでに成功者なんだから、そこまでしなくたっていいのに、全力で大勝負に出た。
結果的には負けてしまったけど、そういう度胸ってすごい。
真似できない。
(「天才とは、10 億の資金を 1000 万と同じ感覚で動かせる人だと思う」と 2 ちゃんねるに)書いた頃は 10 億なんて夢の数字だったんです。数億円を運用するなんて、想像もつかなかった。
ところが、3 億円を超えたあたりで怖くなくなったんですよ。
麻痺したのもあるけど、地合が好転したので、無邪気に買ってもどんどん儲かったことが大きい。
もし、いま天才を定義するとしたら?
うーん。
500 億を 1000 万と同じ感覚で、かな。
もうダメなんです。
1 日で 1 億円儲けたり 1 億円損したりというのを経験しちゃうと、資金を 10 億円に減らすなんて考えられない。
刺激がなくて。
1 億円儲けるチャンスを見逃すのは、1 億円の損だと思っちゃって。
もちろん、必ず勝つわけじゃなくて、参加したために 1 億円損することもある。
だから、トレードをやらないのもつらいし、やってもつらい。
もう中毒なんですね。
大損でもしないかぎり、やめられない。
過去の例を見ると、アメリカの利上げが終わった頃が天井という傾向がある。
今年の後半は気をつけないと。
日本はアメリカに連動してるから、そうなれば資金を減らすかもしれません。
BNF氏のスタイルを完全に真似することは難しいかもしれません。
が、「主要銘柄のチャートが頭に入るまで見る」くらいの意識はあった方がよいでしょうね。
BNF氏の言っている主要銘柄が何を指しているのかは不明ですが、似たようなチャート形の銘柄を監視しているのだとしたらそこまで難しくはないはずです。
また、「全体を見る」「総合的に判断」という点も重要ですね。
あくまでも全体の動きを追いながら、相対的に個別銘柄の動きを見て判断しているのでしょう。
このインタビューには初心者が学び取るべき重要な点が数多く隠されています。
また、上級者になってから読むと、また別の見え方もしてきます。
今回はこのくらいで。