株やFXを始める際に、どういった回線環境、プロバイダ環境を準備すればいいの?と思う人も多いでしょう。
ただそもそも回線って何?プロバイダって何?という状態の人もいるかもしれません。
ここでは基本からわかりやすく、どういった環境を整えればOKなのかを解説していきます。
もくじ(見出しのまとめ)
回線・プロバイダの基礎知識
ネット回線はフレッツ光、AU光などが有名です。
昔はISDNやADSLなど電話回線を使ってインターネットをしていましたが、
現在では光回線による高速インターネットが可能になりました。
回線を提供している会社のことを回線事業者といいます。
回線とは簡単に言ってしまえば、水道管のようなものです。
ネットを始める際に工事費が掛かったと思いますが、それは自宅まで水道管(ネット回線)を引っ張ってくるための工事です。
一方でプロバイダとは、水道管に水を流してくれる人です。
水道管に水を流すON/OFFのバルブを付けていると思ってください。
プロバイダは英語でprovider;直訳で「供給する者」です。
ネットワークの専門家になりたい人はもっと詳しく勉強すれば良いですが、あくまでも投資をするのが目的なので、これ以上の理解は不要であると考えます。
回線の料金は月々3000円~程度、プロバイダの料金は月々500円~程度です。
たいていの人はネット回線とプロバイダをセットで契約してインターネットを開始するため、あまり意識していないかもしれませんが両者は別々のものとして認識してください。(支払い明細を見れば分かれているはず)
回線に関しては基本的に光回線であれば問題ないでしょう。
集合住宅だとそもそもフレッツ光しか使えない、AU光しか使えないなどの制約があることもあるので注意。
回線自体の質が気になる人は、光回線の中でも世界最速を謳っているNURO光を検討してみても良いかもしれません。
一方でプロバイダに関しては注意が必要です。
投資家のためのプロバイダの選び方
プロバイダは正確に言うとISP(Internet Service Provider)といいます。
たとえば、月額530円からのフレッツ光、BB.exciteなどがあります。
リンク先の画面下部のように、プロバイダだけ乗り換えることも可能なので是非検討してください。
また、基本的に「乗り換え」としか書いてありませんが、今現在使っているプロバイダに追加して契約するのも「乗り換え」に含まれます。
安いところだと月額500円でさらに半年間割引などを行っています。
後述しますが、結論から言うとメインとサブで2つは契約しておいたほうが良いです。
大したコストでもないのでリスク管理の一環として是非検討してください。
損失を出してからでは遅いです。
プロバイダを選ぶ際に注意したいのは以下の3つです。
- 回線速度
- 応答速度
- 安定性
回線速度
回線速度の最大値は基本的に回線の種類や契約内容によって異なります。
フレッツ光であればどのような契約内容であっても最大100Mbpsはあると思います。
あくまでもこれは最大値であって実際にこの速度が出るかどうかはプロバイダ等の環境に依存します。
どれだけ回線のスペックが高くてもプロバイダに速度を絞られていたら低速になってしまうということです。
先ほどの画像で言えば、水をちょろちょろしか出してくれないプロバイダがあるということです。
どれだけ水道管が太く立派なモノだったとしても、プロバイダがちょろちょろしか水をだしてくれないのでは意味がありません。
基本的にそのプロバイダの契約者が一気にネットを使う時間帯は混雑し渋滞が起こります(ちょろちょろしか水がでない)
実際の回線速度の測り方については後述します。
応答速度
応答速度というのは、あなたが「水をだして~」と言ってから実際に水が流れてくるまでの時間のようなものです。
投資においては送受信する情報量が少ないので回線速度自体はそこまで高速である必要はありませんが、応答速度は早ければ早いほど良いです。
なぜなら、AさんとBさんが同時に注文を出したとしたら応答速度の早い人の注文の方が先に通る可能性が高いからです。
この応答速度のことをPINGといいます。
応答速度の測り方についても後述します。
安定性
具体的には、プロバイダの障害が多いかどうか、メンテンナンスの頻度や質のことです。
各プロバイダは障害情報やメンテンナンス情報を発表していることが多いのでこれは自分でチェックするしかないです。
最近ではTwitterで障害情報などをつぶやいているプロバイダもあるので自分の契約するプロバイダについてはフォローしておきましょう。
また、投資で売買してる途中に万が一プロバイダに障害が発生すると自分だけ売買が全くできなくなるので注意しましょう。
このリスクは2つ以上のプロバイダを契約することで低減させることができます。
複数のプロバイダを契約するということは、水道管にバルブを複数つけるということです。
一つのバルブが故障したり、ちょろちょろしか水がでないときに、もう一つのバルブをひねって水を出すことができます。
オンラインネットゲームや投資を本格的にやっている人はだいたい複数のプロバイダを契約しています。
(たいしてお金が掛からない上にリスクを大きく減らすことができるので)
回線速度・応答速度の測り方
それでは実際に現在の回線速度および応答速度を測ってみましょう。
まず、画面上の白い点にカーソルを合わせるとサーバーを選択できます。
デフォルトだと自分の住んでいる地域の近くのサーバーが選択されてしまうため、サーバーは「東京」を選びましょう。
東京のサーバーであればどれを選んでも構いません。心配なら全てで試せば良いです。
最初から東京のサーバーが選択されている人(東京に住んでいる人はこうなる)はそのまま「BEGIN TEST」をクリックしましょう。
するとしばらくして以下のように結果が表示されます。
左の赤枠がPINGの値、右が回線速度の値です。
PING≦10ms:小さいほど良い
Download Speed≧50Mbps:大きいほど良い
程度であれば投資には十分です。
また、一般的な傾向として回線速度が早いほどPINGの値も良くなります。
上級者向けPINGの測り方
詳しい人は別の測り方でもPINGを測ることができます。
初心者は上の測り方で十分なのでやらなくてOKです。
Windowsスタートメニューの検索窓に「cmd」と入力→Enterでコマンドプロンプトを開きます
「ping 【IPアドレスまたはURL】」を入力→Enter
たとえば、Yahooのホームページであれば「ping www.yahoo.co.jp」と入力
すると、指定したIPアドレス(URL)までのPINGが表示されます。
これにより、具体的な証券会社のサーバーなどへのPINGを測ることも可能です。
この方法で測ると経路もわかるためPINGを遅らせているボトルネックを把握することができます。
良いプロバイダの見つけ方
さて、それでは実際にどのようにプロバイダを選べばいいのか説明します。
最初に知っておいてほしいことは、同じプロバイダでも住んでいる地域によって速度や障害の頻度が異なるということです。
これ意外と知らない人多いんです。
だからネット上の比較やオススメ情報は基本的に意味がないのです。
ではどうしたら良いか?
住んでいる地域別の計測結果を見ればいいんです。
上のサイトでは測定エリア別の他人の測定結果を見ることができます。
赤枠内に自分の郵便番号や知りたい環境を入力します。
「評価」「回線種別」「プロバイダ」は最初は指定しなくて良いです。
「測定地」は最初は自宅郵便番号を入力し、検索して結果が少ししか出なければ近隣または都道府県の設定をしてみましょう。
Radishの見方
さて、実際に検索ができたら、以下に注意してください。
「プロバイダ」はどこか
「測定地」は自宅に近いか
「速度」と「測定した時間」は自分が投資をする時間帯か
これで自分の環境に合ったプロバイダをいくつか洗い出すことができます。
ある程度プロバイダにこだわっている人はこのサイトはチェックしています。
ということは、このサイトに高評価として名前の上がっているプロバイダは既に(または今後)人気のプロバイダとして、混雑する可能性もあります。
逆に名前の挙がっていないプロバイダをチェックしてみるのも良いでしょう。
(たとえば、私は良いプロバイダが見つかっても絶対に書き込みません)
プロバイダの一般的な傾向
一般的には以下のような傾向があります。
- 大手プロバイダは安定性はあるが、昼時・夜は混雑し速度が出にくい
- 大手のプロバイダは料金がやや高い
- 中小プロバイダは混雑しにくいが、安定性に欠くことが多い
- 中小プロバイダは料金がやや安い
- 住宅街では大手のプロバイダは特に混雑しやすい
これを踏まえると複数のプロバイダを契約するときは、
・中小のプロバイダを一つ
・その他お好みを一つ
・Radishに載っている自分の地域で評価の高いプロバイダを一つ
・自分の地域でRadishに載っていないプロバイダを一つ
・その他お好みを一つ
など、分けると良いと思います。
私の場合は、大手プロバイダを一つ(月額1000円ちょっと)、中小プロバイダを2つ(月額各500円ちょっと)を契約しています。
すべて合わせても2000円代なので、コスト的にはさほど負担にはならないと思います。
むしろそれによって軽減できるリスクの方が大きいです。
実際には今現在使っているプロバイダに月額530円からのフレッツ光、BB.exciteなどの月額500円程度のプロバイダを追加して様子見をするとよいでしょう。
トレード以外にもネットをガッツリ使う人は
トレード以外でも、動画のダンロードやアップロードを頻繁にする人やP2Pを使っている人はネットに制限をかけられてしまう可能性があります。
プロバイダが「キミ、ネット使いすぎ!」と水をチョロチョロしか出してくれなくなります。
制限をかけられてしまうとトレード中やっかいなので、そういった心配がある人は「制限なし」のプロバイダを使うようにしてください。
ただし制限がなくても障害が起こることはあり得るので上記の500円程度のプロバイダもサブで用意しておいた方が良いと思います。
または、ルーターを複数用意し、ルーターごとに接続先のプロバイダを使い分けることで、トレード専用のプロバイダを確保することができます。
これを行えば、ネットを使いすぎて片方のプロバイダで制限がかかったとしても、もう一方のプロバイダで通常の速度でのネット使用ができます。
複数プロバイダの設定方法
実際に複数のプロバイダを契約したら、しっかりと設定を行っておく必要があります。
契約している回線事業者によって若干の設定方法の違いがあるのですが、参考までに私の場合の設定方法を説明します。
まず、ブラウザのアドレスバーに「192.168.1.1」と入力→Enter
これでONU(モデムみたいなもの)へのログイン画面が出ると思います。
ユーザー名はデフォルトだと「user」または「admin」
パスワードもデフォルトだと「user」または「admin」だと思います。
これらでログインできない場合は設定を変更している可能性があるので回線事業者に問い合わせるか取扱説明書を見るなどして自分で調べてください。
ログインすると次のような画面になります。(ONUによって若干異なる)
左の赤枠がONUの名前です。
この名前でググると取扱説明書のPDFや設定方法などがわかるとおもいます。
下の赤枠のセッションをクリックし、新しく契約したプロバイダの「接続先ユーザ名」「接続パスワード」を入力すれば基本はOKです。(契約後に郵送される)
最後に上の画像の画面に戻って、「接続可」にチェックを入れれば万が一メインのプロバイダが使えなくなった時に自動で繋がるはずです。
また、複数のルーターを使用すれば、各ルーターで接続先プロバイダを変えることができます。
たとえば、家族の普段使い用のプロバイダにはAプロバイダを使い、自分の投資用にはBプロバイダを接続に使うなんてこともできます。
この設定方法はルーターごとに「接続先プロバイダ」を変えるだけでできるはずです。
文字だけだとわかりづらいかもしれないので要望があれば概念図を書きますが、細かい設定方法はルーターの取説に書いてあるはずです。
まとめ
お疲れ様でした。
プロバイダ契約やこれらの設定は一度やっておけば基本的にもういじらなくて良いので最初だけ面倒ですがしっかりとやっておきましょう。
実際にお金を動かす投資において、万が一のリスクに備えるのは当然のことです。
むしろこういったリスクを認識できない人は投資に向いていないかもしれません。
何かが起こってから対策をしたのでは遅いです。
何かわからないことがあればコメント欄を使ってください。
わかる範囲であればお答えします。
リスクを最小化する株FXトレード環境も参考にしてください。