生活する上で絶対に必要な「水」の料金を節約する方法と、知っておいて損はない基礎知識について解説します。
ただし、水道料金はあまり節約する方法がたくさんある訳ではありません。
一旦いくつかを設定・調整だけしておき、後は放置というスタンスで良いと思います。
特に一人暮らしであればあまり節約額は期待できません。
このページを読むだけで水道料金の節約法をほぼすべて学べると思います。
もくじ(見出しのまとめ)
水道料金は支払い方法で節約できる
意外と知らない人も多いのですが、水道料金は支払い方法によって割引になることがあります。
- 支払方法には
- クレジットカード払い
- 振り込み・コンビニ払いなど請求書払い
- 口座自動引落とし
がありますが、この内「口座自動引落し」にすると年間で600円お得になります。
毎月50円分の割引です。
口座自動引き落としの手続きは簡単です。
たとえば東京であれば水道局の手続き・料金のページから手続きが可能です。
クレカ払いでポイントを貯めるのはお得じゃない?
中にはクレカ払いを選んだほうがお得になるケースもないわけではありません。
クレカのポイントは基本的に支払金額の1%の場合が多いです。
つまり、その1%が自動引落しによる割引額50円よりも大きい人はクレカ払いの方がお得になります。
計算すると、
しかし、いくつか注意しなければならない点があります。
自分のクレカを確認して何%分のポイントが貯まるのか確認しておきましょう。
また、公共料金がポイントの対象になっているかも確認が必要です。
クレカポイント率と水道料金の早見表
3%→水道代月1666円以上ならクレカ払いがお得
2.5%→水道代月2000円以上ならクレカ払いがお得
2%→水道代月2500円以上ならクレカ払いがお得
1.5%→水道代月3333円以上ならクレカ払いがお得
1%→水道代月5000円以上ならクレカ払いがお得
0.5%→水道代月10000円以上ならクレカ払いがお得
クレカのポイント率は変わることもあるので最初から水道料金を口座自動引落しにした方が楽な場合が多いです。
水道代の平均ってどのくらい?
総務省統計局の家計調査によると、水道料金の平均は以下のようになっています。
1人世帯:2,092円
2人世帯:4,146円
3人世帯:5,250円
4人世帯:5,900円
5人世帯:6,940円
6人以上:8,340円
この平均金額よりも毎月掛かっているのであれば大きく節約することができます。
たとえば私であればこのくらいです。
私の地域は2ヶ月分を一気に請求されるのでこれは2ヶ月分の料金です。
割引額も2ヶ月分なので108円引かれています。
つまり1ヶ月当たりおおよそ2100円であり、1人世帯の平均額とほぼ同値ですね。
うちは2人以上で使っているので大幅な節約に成功しています。
2人世帯の平均額のほぼ半額です。
その半額以上を実現している節約方法を紹介します。
効果的な水道料金の節約方法
水道代を節約するためには、「どこで水を使っているのか」を知らなくてはなりません。
ご覧のとおり
- 風呂
- トイレ
- 炊事
- 洗濯
- 洗面
が大部分を占めています。
それぞれ攻略していきましょう。
その前に水道料金の計算方法について簡単に知っておきましょう。
これを知らないとどう節約するのが効果的なのかわかりませんからね。
水道料金の計算の仕方
水道代といっても、「水道料金」と「下水道料金」の2種類があります。
ご覧のとおり、水道料金は「基本料金」と「従量料金」に分かれます。
基本料金は「呼び径」によって変わります。
この呼び径は明細をみれば載っています。
一般家庭ではほとんど「20mm」前後だと思います。
従って、「基本料金1170円+使った分だけ」お金が掛かります。
さらに使えば使うほど従量料金の@1㎥が高くなっていく点にも注目しておきましょう。
つまり、この東京都の例で言うと、
1㎥=1000リットル
です。
ここから分かるのは、「できるだけ水の使用料を抑える」という当たり前の結論です。
風呂の水道代の大部分は浴槽ではない
実はお風呂で使っている水の大部分は浴槽ではなくシャワーです。
シャワーでは1分間に16~24リットルの水を使っています。
10分間シャワーを浴びたらそれだけで160~240リットルです。
一方で浴槽はだいたい200~250リットル程度の水しか使いません。
浴槽に入る頻度を減らすより、シャワーを小まめに止める習慣を身につけましょう。
また、シャワーヘッドを節水仕様のものに変えるのも非常に有効です。
私の家では、シャワーはそこまで小まめに止めていませんが、節水仕様のシャワーヘッドは使っています。
手元にワンタッチで水を止めるボタンもあるので、シャワーを持っているまま水を簡単に止められます。水圧も高圧に変えられます。
節水仕様のシャワーヘッドは水圧が弱くなってしまうものが多いので選ぶ際のポイントにしてください。
また、残り湯を有効活用するのもよいでしょう。
洗濯だけでなく風呂掃除用水にするとよいです。
- 風呂場の節約ポイント
- シャワーの使用時間を減らす
- シャワーヘッドを節水仕様に
- 残り湯を有効活用する
これらのうち、特にシャワーヘッドを節水仕様に変えるのは効果が大きく、手間がかからないのでオススメします。
トイレの節水の基本は「小」
トイレの水は「流す時」に使います。
私の場合トイレ行きまくりですが、毎回「小」で流しています。
というか「小」で流れないモノはほとんどないと思います。
普段から「小」で流すクセを付けましょう。
トイレ自体を変えた方が良い場合も
古いトイレであればあるほど、トイレの流す水の量を必要とします。
最近の新しいトイレではかなり節水が進んでいるので、古いタイプから新しいタイプに変えるだけで、トイレ用水を年間70%程度節水できたりします。
トイレは数十年単位で使う家庭が多いため、あまり買い換える人がいないかもしれませんが、節約額によって買い換えたほうが「圧倒的にお得+最新トイレになる」ので一考の価値があります。
私が使っているのは、CH1003WSというパナソニック製のトイレです。
「大」で5.7リットル
「小」で4.5リットル
使います。
1990年代前半まで主流は13リットル程度です。
最新のトイレでは4リットルを切るトイレやエコモードが搭載されているトイレもあります。
自分の家のトイレの品番をググって使用水量を調べてみましょう。
もし4リットルも多いのであれば大幅に節約できる可能性があります。
ちょっと概算してみましょう。
たとえば、1~2人暮らしの場合
一日5回使用した場合の年間の使用量の差
(13L-4L)✕5~10回✕365=16425~32850リットル→16~33㎥
ということは、
16~33㎥✕@110~200=1760~6600円
つまり年間1760~6600円程度の節約額になります。
これを10年間で考えると17600円~66000円程度の金額になり、場合によっては最新のトイレを買ったほうがお得です。
もし3~4人家族であるならほぼ確実に最新トイレにしたほうがお得です。
3~4人家族の場合上記の年間の差額の計算結果は5500~13600円
10年で55000~136000円
これなら最新トイレにした方がお得
- トイレの節約ポイントまとめ
- 基本は「小」で流す
- 最新のエコトイレを使う
炊事の大部分は「洗い物」
炊事に使う水の大部分を占めるのは「洗い物」です。
ここでも水を小まめに止めることと節水ヘッドを使うことで節水できます。
手洗いVS食洗機
一般的には食洗機を使った方が手洗いより節水であるとされています。
シャワーと同様水道は1分間に10リットル~20リットル程度使います。
そのため、手洗いだと一日に数十~数百リットルは使ってしまいます。
仮に1日20分間手洗いに使っているのだとしたら、年間で146000リットル=146㎥で年間およそ24000円程度の水道代です。
一方で食洗機を使えば、1回およそ10リットルなので、年間で700円弱です。
食洗機にかかる電気・ガス代は@20~30円程度なので、年間で10950円程度です。
トータルで11650円程度になります。
その差約10,000円です。
食洗機は安いモノなら20,000円を切るのでおよそ2年で元が取れます。
さらに何より手洗いに取られる時間が自由に使えます。
食洗機の効果的な使い方
実際に食洗機を使っている人は経験があると思いますが、「汚れが落ちない」ことがあります。
そこで、簡単にサッと汚れを水洗いしてから食洗機を使います。
こうすることで、食洗機のエコモードで回しても汚れが取れます。
「エコモード」は食洗機によって呼び方が異なりますが、こういったモードを使うことで、食洗機に掛かるランニングコストも抑えることができます。
食洗機に掛かる年間コストを10000円以下に抑えることも可能です。
私は以下のビルトイン食洗機を使っています。
この食洗機では「エコモード」というモードはなく「少量」や「スピーディ」というモードがあります。
一日1回程度使っていますが、水道料金は低く抑えられています。
注意したいのは、サッと汚れを水洗いする際に水を使い過ぎないことです。
「1分以内に済ませる」ことを目標にしてみましょう。
固めのブラシでササッと行えばすぐにできますよ。
現在食洗機を使っている人は、自宅の食洗機の品番をググって取説を探してランニングコストを計算してみましょう。
- 炊事の節約ポイント
- 手洗いより食洗機を使ったほうが年間10000円お得
- 手洗いに取られていた時間を自由に使える
- 1分でサッと水洗いをしてから使う
- 食洗機は「エコモード」で使う
洗濯に使う水は節約できるか
洗濯自体の節約には、最新のエコ洗濯機を使うか風呂の残り湯を使うくらいしかありません。
洗濯機でどのくらい違う?
洗濯機はタイプによって使用する水の量が変わります。
水槽式:98リットル
ドラム式:95リットル
ななめドラム式:72リットル
またそれぞれで古ければ古いほど使用水量が多いです。
例えば水槽式なら2005年の製品は1回当たり122リットル程度です。
もし古い洗濯機を使っているのであれば買い換えるのもアリだと思います。
概算してみましょう。
(3日に1回洗濯)
(122-72)✕365÷3=6083リットル=6㎥
6㎥✕110~200=660~1200円
年間で1000円前後の差額ですね。
毎日洗濯するなら3000円程度の差額です。
10年で30000円程度ですか。
これだけ見ると「古いから」という理由だけで洗濯機を買い替えるのはあまり効果的ではないことがわかります。
実際には電気代のランニングコストもあります。
水槽式:年13000円程度
ドラム式:年9100円程度
のようなので年間の差額4000円程度です。
10年で40000円程度ですね。
ということで、結論
風呂の残り湯を使うのは効果的
さて洗濯機に買い換えは余程古い洗濯機を使っていないとあまりお得ではないという結論でした。
一方で、風呂の残り湯を使うのは効果的です。
ただし上で書いた水道代を丸々節約できる訳ではありません。
「洗い」と「すすぎ」のうち、残り湯を使うのは「洗い」だからです。
洗濯の頻度にも依りますが、
毎日洗濯をしているのであれば年間数千円は節約になります。
概算してみましょう。
(洗う量によって異なる)
30~70✕365=10950~25550リットル=11~26㎥
11~26㎥✕110~200=1210~5200円
ということで、洗濯機を使えば使うほど残り湯を使ったほうがお得です。
自動で組み上げるポンプの電気代はほとんど気にしなくて良いレベルです。
だいたい1時間2~3円程度です。
残り湯 ポンプ
自分で組み上げる場合は、5~10分程度かかりますかね。
仮に年間5200円の節約になるとして、1回5分✕365日=30時間を組み上げに使うことになります。
時給173円で仕事をしているのと変わりません。
30時間あればパートやバイトをした方が圧倒的にお得なので、パートやアルバイトができない事情がない限りは自分で組み上げ作業をするのはコスパが悪い節約法になります。
- 洗濯の節約ポイント
- 古い水槽式洗濯機なら最新ななめドラム式に
- 残り湯はポンプで自動組み上げを
洗面の節約は難しい
洗面の節約法はほとんどありません。
節水ヘッドを使うのと水を小まめに止めるという意識をもつこと以外にあったら教えて下さい。
- 洗面の節約ポイント
- 節水ヘッドを使う
- 水を小まめに止めるという意識をもつ
各水道のバルブを調整する
女性には難しく感じるかもしれませんが、マイナスドライバー1つでできる簡単な方法です。
特にお子さんなどがいて「どれだけ言っても水道全開にしちゃう」状態であればかなり効果的です。
各水道には水圧を調整するバルブがあります。
洗面所やキッチンの下を開いて見てみましょう。
こういうのがあるはずです。
赤枠部分をどちらかに回すと出る水量を調整できます。
たいてい2つあると思いますが、片方がお湯、片方が水です。
水だけ絞り過ぎると熱湯になってしまう場合があるので注意してください。
各蛇口を節水仕様に調整すると良いですよ。
また、水道メーターそのものにもバルブがついています。
これをメインバルブと呼んだりします。
そっちのバルブを絞っても良いですが、場合によっては使いたい時に水圧が弱くなってしまうことがあるので注意してください。
実はこのメインバルブを絞るのが一番手っ取り早い節水法だったりもします。
ただ調整が難しいのと、月単位でどのくらい絞るのがベストか経過を見ていかなくてはならないのでちょっと上級者向けではあります。
まとめ
ここまでの全てを整理します。
- 料金支払は口座自動引落しに
- 各ヘッドは節水仕様に
- 節水するという意識を大事に
- 残り湯を有効活用
- トイレは「小」で
- 洗い物は食洗機「エコモード」で
- 古い家電は買い替えた方がお得な場合も
- バルブ調整で大元を絞る
こんなところですね。
水は命の源です。
生きていく上で必要になる水までは節約してはいけませんよ。
また、節約には「コスパ」が重要であるというのは以下のページで述べました。
http://kasegunet.jp/important-warning-of-saving/
ここまで紹介してきた節水法で「コスパ」が悪いのは、「残り湯を自分で組み上げること」です。
その他の方法は特別時間が掛かるわけではないのでオススメします。
何か「こんな節水方法もあるよー」という方はコメントいただけるとうれしいです。